杉浦フィールド開発ストーリー⑦
杉浦フィールド開発ストーリー⑦
成約までに大変だったこと~契約書編・第3話~
今回は、契約書編の最終話をお届けします。
少々、生々しいやりとりになりますけど、
これから移住される誰かの応援になればという気持ちで
ありのまま綴っていきますね。
近隣住民からの要望
物件の交渉が始まり、近隣住民2人から要望が来ていることを知ります。
どうやら、ぼくらが物件を購入したあと、
敷地内を公共の場のように通りたいとのこと。
ひとまず、お相手の本当の気持ちをお聞きし、
ぼくらの譲歩案もお伝えし、
どこかで折り合いをつけるために近隣住民と会うことにしました。

近隣住民と会う
売主、買主、近隣住民2人、
四者の話し合い、当日。
通りたい理由について近隣住民にお尋ねしてみると
「畑に行くのに、いつも通ってるんや」とのこと。
耕作放棄地になっているのを知っていますが、
指摘するのは控え、別の角度から想いをお聞きしても
「自由に通らせてくれと言っているだけ」とのこと。
その後、いくら質問を変えてお聞きしても答えは一つだった。
譲歩案の提示
ラチが開かないので、ぼくらの譲歩案を提案してみる。
「畑へ通じる里道を塞いでいる獣害対策のフェンスを開閉式にできないか?
その上で、耕運機などの移動で敷地内を通ってもらう分には構いません。」
とお伝えすると
「動物園の中で住んでるんやないからな」と、ちょっとズレた回答。
そして、もう一つ譲歩案をお伝えした。
一、初めて暮らす地域で知らない人が自由に通られると不安です。
防犯の面からも事前に一言かけてほしい、と。
「自由に通らせてくれ!と言っているだけ」
「許可まで取らないかんのか!」
「なぜ分からないのか」と苛立ち始めた。
感情的になると論点がズレそうなので、
「そもそも」の話を伝えてみました。
「大前提として、ぼくらは抽選など正当な手順を踏んで交渉というステップに来ました。
本当の意味で自由に通られたいなら、こちらの物件を購入されてはいかがでしょう」と。
すると、「それは話が違う!」とのこと。
むしろ原点の話なのですが、伝わりません。
どう落としどころを探ればよいかと困ってしまいました。
話し合い決裂
すると、近隣住民は
「もうええに、通さんと言っとると皆に言うで!」
「地元のみんな全員、敵に回すことになるからな!」
「そうなる事は、もう分かっとる!」
と捨てセリフを残して、途中退席された。
通さない、とは一言も伝えていないのですが汗
自分ができることに集中
その後、どんな方が地域におられるか知りたくて
直接訪ねてみたり、
市役所に問い合わせたり、
現地調査を重ねてみました。
自分が間違っているのだろうかと
強い葛藤が続き、心は削られていく日々。
結局、専門家に相談して特約条項にある
・敷地内を近隣住民が通る
・そして、それを妨げてはいけない
という項目を削除することで合意したので契約した。

契約まで実に一年。
希望を胸に交渉権を得たにもかかわらず
縁もゆかりもない地で思わぬ洗礼を受け、
ぼくは人嫌いになりました。
加えて、全てのことに無気力にもなり、
自分自身にも愛を注げず空っぽになった感覚でした。
でも逆に、その空っぽの心に愛を注いでくれる人たちがいてくれた。
その温かい関わりが染みて、涙しました。
他の経験もあって、人のことが強烈に嫌いになったけど、
包むように癒してくれたのもまた人でした。
おかげさまで一年に渡る交渉を粘り強く取り組むことができました。
この体験を通じて感じたのは、
自分の心を削ってまで優先すべき事など
一つとしてありはしない、ということ。
地元の方には印象は最悪かもしれません。
思い通りにならなくて怒って立ち去るか、歩み寄るかは相手の自由です。
逆に、ぼくらは怒りや恐怖という手段で彼らをコントロールする手段は選ばず、
淡々とぼくらの暮らしに愛を注ぐだけです。
もしかしたら、その過程で変わりゆく景色が
何かを変えてくれるかもしれない。
インパクトのある経験
今回は、心身ともハードに削られる経験でした。
それゆえ、ぼくらにとって大切なものが再認識できた出来事でしたし、
自分も誰かを暖かく応援できる存在になりたい、
そう思える経験になりました。
次回、農地編に続きます。

